子供の不登校の中に出会った本

「親業」-ただの親でなく、「良い親」になるためのコミュニケーションを学べる本

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だれでも子どもを産めば、親になります。

 

でも、だれにも「親になるための知識」を教えてもらえません

 

私は母親になってから、育児書を読んで「子どもがどうやって育っていくか」は知ることはできたんですが、「親がどうやって子どもと関わっていけばいいのか」は、知ることなく自己流の子育てをしていました

 

「私はこうやって育ててもらった」

「親にこんな風に育てられてイヤだったから、私はやめておこう」

みたいな、自分の経験くらいがちょっとした参考になる程度。

 

そんな自己流の子育ては孤独やし、日々自分と子どもと格闘しながらなんとかやり過ごしていく毎日で、本当に苦行でした

 

そして残念ながら、この自己流の子育てはあまり良くなかったみたいで、娘は小4の6月から不登校に。

 

自分の子どもが不登校になって初めて、「親がどうやって子どもと関わっていけばいいのか」ということの大切さを知り、いろいろとネットで調べたり、本を読むようになりました。

 

そして、出会った本が「親業」です。

 

「親業」とは親の仕事、つまり子育てのこと。

本の中に

親は避難されるが訓練は受けていない。

何百万という新しい父親や母親が毎年生まれ、人間の仕事の中でもいちばんむずかしい仕事につくーほとんどなにも自分でできない小さな人間の肉体的、精神的健康に全責任を負い、生産的、協調的で、なにか貢献のできる社会人に育てあげるという親業に。

これほど困難で、能力や努力を必要とする仕事がほかにあるだろうか。

しかも、そのための特別な訓練を受けた親が何人いるだろう。

☆2、3ページより

とあるように、「親」という仕事は、めっちゃ難しくて責任も重いのに、ほとんどの人が教育を受けていない

 

だから、親は子育ての訓練プログラムが必要としています。

 

その訓練プログラムとして「親業訓練プログラム」が作られ、この本では、その「親業訓練プログラム」の内容が書かれています。

 

「親業」を読んで、子どもと対話する際の効果的な方法を知ることができて、私も子ども達も穏やかに過ごすことができるようになりました

 

他にも子どもと対話する際の効果的な方法が書かれた本があったのですが、この本は子どもとの対話の良い例、悪い例を具体的にたくさん教えてくれているので、分かりやすくて為になりました。

 

「こうするべき」と思ってやっていた子どもへの対応が実はダメだったと、この本を読んでたくさん知ることで、ダメだった子育てから軌道修正をしています。

 

そんな軌道修正のおかげか?学校へ行けなくなった娘も、「学校へ行こう」と前向きに動き出してくれました。

 

この本が私と娘を助けてくれました。

 

この本の出会いに感謝しています。

 

今回は何も知らなかった私に「良い親」になるためのコミュニケーション方法を教えてくれた本「親業」をご紹介したいと思います。

「親業」のおおまかな内容

本のおおまかな内容

『誰でも親にはなれる。でも、「よい親」になるのは難しい。』

 

この本は、そんな「よい親」になるための対応の仕方が書かれています。

 

まず、親子関係を下記の3つのケースに分けます。

  1. 子供の行動は子供だけの問題で、親には問題になっていない場合。
  2. 子供の行動が親にとって問題になっている場合。
  3. 子供の行動は子供も親も問題になっていない場合。=親子関係に問題はない

たとえば、①の「子供が持っている問題」は自分の子供がお友達と仲良くしてもらえないと悩んでいたり、習い事がイヤだと感じていたり、体形で悩んでいる、、などです。

 

①に関しては、ついつい親が心配して干渉してしまいがちですが、子供が「問題を持つ」ことを許し、一人で解決できる内なる力を信じてあげることが重要です。

 

なので、子供に対して「受容的な聞き方」と「能動的な聞き方」をすることが最適な対応となります。

 

「受容的な聞き方」とは、「へー」とか「そうなんだ」など、特になにも言わないで、ひたすら相手の言葉を聞いてあげることです。

 

「能動的な聞き方」とは、子供の立場にたって子供の気持ちを理解し、共感して聞いてあげることです。

 

例えば、子供が「○○ちゃんが、おもちゃを取ってきた!」というと、「イヤだね。○○ちゃんがそんなことしたらイヤだね。」というふうに、「子供の言葉から気持ちを理解して、自分の言葉で言い換えながら聞いてあげる」ということです。

 

この「受容的な聞き方」、「能動的な聞き方」をすることで、子供は自分は受け入れられている、理解されていると安心し、親に話を聞いてもらう中で、自分の力で問題の解決策を見つけていくようになります。

 

一方、②の「親が持っている問題」というのは、たとえば、「一生懸命片付けたリビングに、子供が散らかして片付けない」など、親である自分がイライラ、ムカムカを感じるケースです。

 

こういう場合は、「わたしメッセージ」で「お母さんが今、感じていること」を伝えてあげるといいです。

 

例えば、「せっかく一生懸命片付けたのに、こんなに散らかってしまって、お母さんはガックリやわ」みたいな感じです。

 

この方法は、自分がどう感じているかを子供に伝えるけれど、それについてどうするかは子供に委ねるので、子供が成長するのを助け、自分の行動に責任を持つことを学ばせることができます。

 

そして、親である自分の気持ちを正直に伝えることで、子供との関係がより親密になって、子供があるがままの親の姿を理解してくれ、子供もあるがままの姿をみせられるようになってきます。

 

そして、、

 

①の「子供が持っている問題」、②の「親が持っている問題」のどちらでもやってしまいがちなNG対応は下記の12の型です。

子供への対応でやってはいけない12の型
  1. 命令、指示
  2. 注意、脅迫
  3. 訓戒、説教
  4. 忠告、解決策などを提案
  5. 講義、論理の展開
  6. 批判、非難
  7. 賞賛、同意
  8. 悪口をいう、ばかにする、辱める
  9. 分析、診断
  10. 激励、同情
  11. 質問、尋問
  12. 中止、注意をほかへそらす

例えば、

①命令、指示「使ったものは片付けて!」

②注意、脅迫「やめないと怒るよ!」

③訓戒、説教「お母さんが急いでいるのに、遊んじゃダメでしょ!」

④忠告、解決策などを提案「ゲームばかりじゃなくて、外で遊んだら?」

みたいな言葉です。

 

この12の型で対応してしまうと、子供は

  • 話すのをやめてしまう
  • 罪の意識を持ってしまう
  • 自分はダメだと感じてしまう
  • 防衛的になる
  • 怒りを爆発させる

など、とんでもないマイナス影響を与えてしまうことになります。

 

また、「わたしメッセージ」で伝えても、子供が親の望まない態度をとり続ける場合もあります。

 

そういう場合は、「勝負なし法」で解決します。

 

勝負なし法とは、親子どちらも納得した方法で対立を解決する方法です。

勝負なし法の流れ
  1. 親が「どちらにも受け入れられるような解決策を一緒に考えよう」と子供に言う。
  2. 親子で考えつく解決策をいろいろ出す。
  3. 親子で出てきた案をひとつひとつ考えて、どれが一番いいか選ぶ。
  4. 実際にやってみる。
  5. うまくいったか確認する。

こうすることで、子供は自分だけでなく、親の要求も尊重できるようになります。

 

また、親から強制された解決策ではなく、自分も一緒に考えた解決策なので、決めたことを責任をもってやろうとします。

 

そして、「自分は信頼されている」と自信をもち、その信頼を裏切らないように行動します。

 

親子での意見の対立において、よくあるケースとして

  • 親が自分の意見を押し通して子供に言うことを聞かせる(親が勝って子供が負ける
  • 子供の主張を許してしまう(子供が勝って親が負ける

がありますが、子供の反発を招いたり、子供がわがままに育ってしまうなどの悪影響を及ぼしてしまいます。

 

なので、親子で意見の対立が起きた場合は、親も子供も負けない「勝負なし法」で解決しましょう。

 

また、親自身が変わることも大切です。

 

「自分のことが好き」という親は、「子供の行動で、自分の欲求を満足させよう」と思わないので、自分の子供の行動も受け入れやすくなります

 

逆に、自分のことが好きになれず、自分の子供を「いい子」に育てることで、自分に価値と自信を持とうとする親は、自分が悪い親に見えるような子供の行動を受け入れられなくなってしまいます。

 

なので、「自分のことがあまり好きでない」と思うのであれば、まずは自分を大切にして、満たしてあげるようにしましょう。

 

そうすれば、子供一人ひとりの独自性を受け入れられ、子供のもつ能力に応じて成長することを許せるようになります。

 

子供は親の所有物ではなく、自分とは別の独自の存在です。

 

☆私の読解が間違えていたらスミマセン。。ちょっとした参考にしてもらえればうれしいです。

心に残った「親業」のメッセージ

心に残った本のメッセージ

私が「親業」を読んで、心に残ったメッセージをご紹介したいと思います。

 

親は人間であり、神様ではない。

無条件に子供を受容したり、受容に一貫性をもたせる必要もない。

受容していないときにしているふりをすべきでもない。

(省略)

親から正直なメッセージが送られてくれば、子供が親の感情に対応しやすくなるだけでなく、親を一人の人間としてー何を考えているか分からないような不透明な存在としてでなく、透明な、なにか親しい関係をもちたくなるような人間としてー理解するようになるだろう。

☆32ページより

 

 

子供が家庭では真面目な問題について全然話さない、と親が不満を述べる場合、本当は、子供がちゅうちょしながらそういう問題を投げかけてきても、親のほうがいつものやり方ー脅し、説教、訓戒、評価、判断、皮肉、話をそらすなどーで片付けてしまっているのではないか。

子供は次第に心のカーテンを閉ざし、永久に親の心と自分の心とを分けてしまうようになる。

☆87、88ページより

 

 

親も自分の要求をもっていて、生きるべき自分の人生と生活をもち、育ることから喜びと満足を得る権利を持っているのだ。

ところが、多くの親は、家庭内でのいい立場、楽な立場を子供に許してしまっている。

そういう子供は、自分の欲求を満たすように要求はしても、親の欲求にはまったく無頓着である。

☆96ページより

 

友だちにはその行動を特定の方向に変えようとして命令、訓戒、脅迫、忠告などをするようなことは、当然のことながらない。

ところが親は、毎日、自分の子供にそれをやっているのだ。

☆105ページより

 

子供は、親が自分の気持ちを理解してくれたとわかったあとは、自分の行動を変えることが多い。

ふつう、子供が望むのは、「自分」の感情を親のあなたが理解することであって、いったんその理解が得られれば、こんどはあなたの感情についてなにか建設的なことをする気になる。

☆131ページより

 

親のほうで、自分の欲求の邪魔になる子供の行動だけを変えるように気をつければ、反逆、対立もはるかに少なくなろうし、まずい親子関係も減少しよう。

ほとんどの親は、よく考えもせず、親にはなんの具体的な影響もない子供の行動を変えなさいとうるさくいい、批判し、おだてる。

子供は、自己防衛をするために、反撃し、抵抗し、反抗し、親からはなれていく。

☆250ページより

 

あなたの子供は、あなたの子供ではない

待ち焦がれた生そのものの息子であり、娘である

あなたを経てきたが、あなたから来たのではない

あなたと共にいるが、あなたに属してはいない

あなたは愛情を与えても、考えを与えてはならない

なぜなら、彼らには彼らの考えがあるから・・・

あなたが彼らのようになる努力はしたとしても、彼らをあなたのようにすることを求めてはならない

なぜなら、生は後戻りしないし、きのうのままにとどまりもしないのだから

☆268ページより

「親業」の目次

本の目次

「親業」の目次は下記の通りとなっています。

本の内容がだいたい分かるのではないかと思うので、参考にしてください。

 

1章 親業にも訓練がいる - 二千年前と同じでよいか

2章 親も人の子、神様ではない - 権威主義に代わる方法

3章 「親になんて話せない」か - 心の扉を開くことば

4章 能動的な聞き方の実際 - 具体例と応用

5章 子供が受け入れる話し方 - 相手に考えされる

6章「わたしメッセージ」を使う - 率直な感情表現の仕方

7章 避けられない親子の対立 - どちらが勝つべきか

8章 親の権威について - 必要かつ正当か

9章 対立を解く「勝負なし」法 - 第三の方法

10章 「勝負なし」法への親の懸念 - 親の立場は弱まらない

11章 「勝負なし」法の使い方 - 新しい親子関係

12章 親業を失格しないために - できること、できないこと

13章 親自身の姿勢を見直す - まず自分を変える

14章 周囲のおとなたち - 「親業代理人」の問題

補章 環境改善で非受容の行動を変える

 

☆全296ページ

「親業」を書いた人はどんな人?

本の著者について

お名前:トマス・ゴードンさん

シカゴ大学卒業。

シカゴ大学大学院で博士号を取得し、5年間教鞭をとった後、カリフォルニア州心理学会会長をつとめる。

臨床心理学者として研究と仕事をする一方、PET(親業訓練)など多様な訓練プログラムを開発実施する。

☆著者紹介ページより

「親業」で私が学んだこと、変わったこと

この本を読んで思ったこと、変わったこと

私はずっと、子どもが相談してきたり、不安や不満を言ってきたりしたときには、

  • 「じゃあ、○○してみたら?」と提案
  • 「大丈夫、大丈夫、お母さんもそんなことあったよ!」みたいな励まし

をしていました。

 

この本でNG対応として挙げられている

  • 命令、指示
  • 注意、脅迫
  • 訓戒、説教
  • 忠告、解決策などを提案
  • 講義、論理の展開
  • 批判、非難
  • 賞賛、同意悪口をいう、ばかにする、辱める
  • 分析、診断
  • 激励、同情
  • 質問、尋問
  • 中止、注意をほかへそらす

の対応は、けっこう親がやってしまっていることのように思います。

 

っていうか、私は他の方法なんて知らなかった。。

 

自分も、親からそうやって対応されて育ってきたんだし。

 

でも、この本を読んでそれ以外の対応の仕方があることを知り、できる限り実践してみました。

 

この本を読み始めたのは、不登校だった娘が頑張って学校へ行き始めた頃でした。

 

一歩を踏み出したとはいえ、娘の心は不安定な状態で、毎日学校へ行けたわけではなく、登校できる日もあれば、登校できない日もありました。

 

そんなある日の朝、「Aちゃんが他の子と遊んでいるのをみるとつらい。だから学校へ行くのが嫌や」と娘が話してくれたんです。

 

Aちゃんは、娘が大好きでとっても仲良しなお友達。

 

今までの私だったら、

「そんなん、他のお友達と遊んだらいいやん!」

って言ってしまうところだったんですが、

「そうか、Aちゃんが他のお友達と遊んでたら、寂しくなるんやね」

能動的な聞き方で話を聞いてあげたんです。

 

すると、娘は

うん。でも、Aちゃんのことは吹っ切るわ。

もうBちゃんと遊ぶことにする。

お母さん、今日1日だけ休ませて。気持ちを整理したいから

と、自分から「Aちゃんとのことは気にせずに他のお友達と遊ぶ」という答えを出し、前向きに動き出したんです。

 

そして、約束通り次の日から登校し、初めて1週間連続して学校へ行くことができました。

 

きっと、今までと同じような対応をしていたら、こんな結果にはならなかったと思います。

 

「能動的な聞き方」の大切さを実感した出来事でした。

 

でも、、

 

まだまだやってはいけない12の型の対応をしてしまうことはたくさんあります。

 

そうした場合は、決まって子どもたちの反発をくらい、「ああ、間違った対応をしちゃった。イケナイ、イケナイ」と反省し、「こう返したほうが良かったかもな」とイメトレして同じ失敗を繰り返さないように努力中です。

 

他の本でも、「共感が大切」「能動的な聞き方」を教えてくれましたが、この本はより具体的に対応例をたくさん載せてくれていたので、とても分かりやすく、勉強になりました

 

あと、私はずっと、

「子どもにはいつも思いやりをもたないといけない」

「子どものために、自分のしたいことはガマンしないといけない」

ムカムカしてもグッとガマン!」

なんて思っていました。

 

でも、この本で自分が一人の人間であることを自分に許し、子どもに自分の気持ちを素直に伝えてもいいことを教えてもらいました

 

そして、教えてもらった「わたしメッセージ」で自分の気持ちを正直に子どもに伝えるようになりました。

 

すると、「母親」という鎧を着てギシギシ動きにくかった子育てが、鎧を脱いで子供に人間らしさを見せることで、とっても身軽な感じになってきました

 

私は心地よく生きる自由を持っているし、子ども達も心地よく生きる自由を持っている。

 

親も子も自分の心地よさを大切にしながら、相手の心地よさも大切にできるような関係にしていきたいと思います。

「親業」はこんな人にオススメ!

この本を読んでほしい人

「親業」は、ぜひ下記のような方に読んでもらいたい本です☆

こんな人に読んでほしい!
  • 子供との関係をよくするコミュニケーション方法を知りたい
  • つい子供に干渉してしまう
  • 自分の考えを子供に押し付けてしまう
  • 子供との対立を避けたくて、子どもの言うことを聞いてしまう
  • なんだか子育てがしんどい、、
  • 子供との関係がどんどん悪くなっている気がする、、

 

この本は、字がけっこう小さくて、読むのが大変だったりもするのですが、その分1冊にたくさんの子供と接する際に役に立つ情報が書かれています。

 

子供と対話する際の良い例、悪い例も書かれているので、自分が実際に対話をする際にとても参考になります。

 

私はこの本で、だいぶ子供とのコミュニケーションが変わって、親子関係が良好になった実感があるので、

  • 子育てがなんかうまくいってない気がする、、
  • 子どもとの関係がどんどん悪くなってる気がする、、

とお悩みなら、ぜひ読んでみてください。

 

本当におススメの一冊です。

 

▼別記事で、この本から学んだ「親子コミュニケーション方法」についてまとめていますので、ご興味あればぜひ読んでください▼

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読んでいただき、ありがとうございました。

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