娘が小4の6月から不登校になり、私は必死で原因を探しました。
そこでよく目にしたのが、「自己肯定感」という言葉でした。
「自己肯定感」とは簡単に言うと「自分が好きで自分に自信がある」と感じる心のこと。
確かに、娘は不登校になったとき、よく「私なんか」と言っていました。
これは「自分が好きで自分に自信がある」心の状態からすごく離れてしまっているし、なんとかしなきゃと、自己肯定感を高めるための本を購入して読みました。
今回は、そんな私が購入した「子どもの自己肯定感を高めるための本」の中で、特に役に立ったなと思った『「自己肯定感」育成入門』のご紹介したいと思います。
ちなみにこの本をはじめ、「子どもの自己肯定感を高めるための本」を読んで私なりに「子どもの自己肯定感を高める方法」をまとめたので、こちらもご参考に読んでいただければ嬉しいです。
『「自己肯定感」育成入門』のおおまかな内容
この本は、「どうすれば親が、子どもの自己肯定感を支えることができるのか」ということを4つのステップに分けて伝えてくれています。
- 子どもの「やってみたい」を引き出す
- 「自分自身で考える」機会を増やす
- 子どもにとっての「安全基地」を作る
- 勉強や習い事を通して「壁」の乗り越え方を学ぶ
ステップ①子どもの「やってみたい」を引き出す
子どもが「やってみよう」と前向きなチャレンジに向かわせるために、親がするべきことは下記の通りです。
- 「挑戦したことそのもの」「プロセス」を褒める。
- 親が失敗を悪いものと思いすぎない。
- 親が手を出しすぎない。
- 目標設定をするときは低く、100%できると分かっているものを設定する。
- 「同い年の子ども」「兄弟姉妹」「昔の自分」と比べない。
- 「ひと昔前のその子」と比べる。
「結果がだせない自分は価値がない」と無意識に思ってしまうことで、子どもは「やってみよう」と前向きなチャレンジができなくなってしまいます。
では、なぜ「結果がだせない自分は価値がない」と思ってしまうのでしょうか。
それは、親が「成果」「結果」だけを褒めてしまったからです。
例えば、テストで100点を取ったというような「成果」「結果」だけを褒めてしまうと、子どもは「価値があるのは100点を取った自分で、ただの自分には価値がないのでは」と思ってしまいます。
そう思うようになると、何かをチャレンジして結果がだせないことに不安を持ち、「何もしないからできないだけ」とチャレンジせず、逃げ道を作るようになります。
なので、親は子どもの地道な努力や小さな成長を褒めるように心がけましょう。
すると「大変そうだけれど、頑張ってチャレンジしたらお父さん、お母さんが喜ぶだろうな」と前向きなチャレンジができるようになり、自己肯定感を育むことができます。
また、子どもが前向きなチャレンジができなくなってしまった原因は、大人たちが失敗を恐れているからです。
「子どもに失敗させると、親が恥をかく、面倒ごとが増える」と思っているのです。
なので、子どもの心を身軽にし、新しいチャレンジに向かわせる大切なことは
- 親が「失敗を悪いものと思いすぎない」
- 親が「子どもに失敗をさせないように手を出しすぎない」
ということです。
また、何かのチャレンジをする時には「目標設定」が大切ですが、高すぎる目標設定をしてしまうと、「チャレンジしたけど達成できなかった」という経験から、自己肯定感を下げてしまう原因になります。
なので、目標設定をする際には「100%できるとわかっていること」をあえて目標にしましょう。
そして、「同い年の子ども」「兄弟姉妹」「昔の自分」と比べることなく、「以前のその子」と比べましょう。
そして、「だいぶ○○ができるようになったね!」と褒めてあげましょう。
私たち大人もそうですが、社会では「比べられる」ことが日常茶飯事です。
だからこそ、「比べられることのない、安心できる場所」が貴重な存在となるのです。
ステップ2:「自分自身で考える」機会を増やす
子どもが「自分自身で考える」ようになるためには、親が先回りをやめることが大切です。
そのために、親がするべきことは下記の通りです。
- 先回りして子供にあれこれ指示しない。
- 「自分は親」という意識から離れて子どもを眺める。
- できるだけ手を貸さずに「励まし役」に徹する。
- 「私は私、子どもは子ども」というスタンスを持っておく。
親がつねに子どもの世話を焼き、「これをしなさい、あれをしなさい」「忘れ物はない?」など先回りしてやるべきことを指示してしまうと、子どもの「自分で考える力」が育ちません。
子どもの「自分で考える力」を育てるためには、子どものスローペースな行動を忍耐強く待つ必要があります。
なので、親は「自分は親」という意識からいったん離れて子どもを眺めてみましょう。
親と子ではく、「コーチ」と「選手」のようなイメージです。
そんなイメージを持つことで、子どもに「なんでできないんだ?」とイライラすることなく、「ああ、まだできないんだな」と落ち着いて受け止めることができます。
できるだけ、親は子どもに手を貸さずに「励まし役」に徹することで、子どもの「できること」は自然に増えていきます。
できる範囲で「自分でやる」経験を積ませることが、子どもの自立心を引き出すのです。
ステップ3:子どもにとっての「安全基地」を作る
親は子どもに「短所も含めてあなたは大切な存在」ということを伝えることが大切です。
そのために、親ができることは下記の通りです。
- 子どもを比べない。
- 型にはめない。
- 子どもの性質について、優劣の価値判断をしない。
- 生まれた時や、小さかった時の話をする。
- 「短所」は直そうとせず、「長所」として言い換えてみる。
子どもが将来、人生で起こる様々なトラブルやストレスとも、うまく付き合っていけるようになるには「自分はこれでいいんだ」と思える感覚が必要です。
その感覚を支えるのが「安全基地」の存在です。
親が子どもの「安全基地」になるには、「その子自身を見る」ことが大切です。
なので、他の子と比べたり、「うちの子は○○だから」と型にはめたり、優劣をつけたりしてはいけません。
こういう「手近なモノサシを使って、子どものを査定しようとすること」は、「自分はここにいていい」という安心感を子どもから奪います。
子どもが必要としているのは、「いてくれてありがとう」というメッセージです。
そんなメッセージを伝えるのにおススメなのが、生まれた日や小さかった頃の話をするということです。
こうした声かけは、「あなたが存在してくれるだけで嬉しい」というメッセージになります。
また、どんな子でも、「長所しかない」「短所しかない」という子はいません。
短所はその子の個性であり、長所の裏返しでもあるからです。
例えば、「落ち着きがない」というのは、裏を返せば「好奇心が旺盛でいろんなことによく気が付く」ということです。
こうしたポジティブで柔軟な視点を持つことが習慣になると、親も子どもも、「こんなことが得意なんだ」「この分野に向いているかも」と思いがけない才能に気づきやすくなります。
ステップ4:勉強や習い事を通して「壁」の乗り越え方を学ぶ
子どもは小さな壁を越えることで、大きな試練に立ち向かう力が付きます。
勉強や習い事は、小さな壁を超える経験をするためのいい機会となります。
そのために親ができることは下記です。
- 「聞く力」を身に着けさせる。
- 算数嫌いにさせない。
- 習ったばかりの知識で子どもに問題を作らせる。
- 習い事は子どもに「やる」「やらない」の決定権を持たせる。
「自分はここにいていい」という感覚を持ち続けるために、適度に自己主張ができることは大事なことですが、その前に「相手が何を言っているのか」を理解できるようになることが大切です。
なので、子どもの自己肯定感を育てるには、まず「聞く力」を重視してください。
「聞く力」を育てるためにおススメなのは、こちらが言いたいことを伝えたあとに「今した話を一言で言うと?」と子供に聞いてみる方法です。
こうすることで、子どもがじっくりと耳を傾け、親が何を伝えようとしているのかをより真剣に考えるようになり、短い言葉でまとめる訓練にもなります。
最初のうちは上手に答えられなくても、「じゃあもう一回言うよ。次は真剣に聞いていてね」と根気強く話してあげましょう。
また、子どもの自己肯定感を下げないためには、「勉強嫌い」にさせないようにしましょう。
特に、多くの子どもが一番つまずきやすい教科が「算数」、「数学」なので、「算数嫌い」にさせないことがとても重要です。
そのために、子どもに「買い物の支払い」や「野球の打率」「サッカーのシュートの成功率」など日々の生活の中で、算数を身近に感じさせましょう。
そして、「お母さん(お父さん)が解けないような難しい問題をつくってみて!」と子どもに習ったばかりの知識を使って問題を作ってもらうと、ゲーム感覚で楽しく勉強ができるので、おススメです。
また、習い事は「自分が好きで頑張っている」と思えるものにしましょう。
なぜなら習い事は、どこかのタイミングで伸びなくなる「成長の踊り場」を乗り越えることが大事な経験となるのですが、本当に好きなことでないと、なかなか乗り越えるところまでいかないからです。
なので、習い事を始める時、習い始めた時、1年ごとに「やる・やらない」を子ども自身に決めさせてあげましょう。
☆私の読解が間違えていたらスミマセン。。ちょっとした参考にしてもらえればうれしいです。
心に残った本のメッセージ
私が『「自己肯定感」育成入門』を読んで、心に残ったメッセージをご紹介したいと思います。
子どもの自己肯定感を高めてくれる言葉とは、「できた」「できない」といった事実にフォーカスした言葉ではなく、もっと小さな、自分でも気づいていなかった、成長や努力に気づかせてくれる言葉だと私は考えます。
☆36ページより
子どもが本来持っている長所や能力を十分に発揮させるには、比較対象を外ではなく、内側に持つということが必須条件になります。
つまり、やるべきことは、他の子と比べるのではなく、「以前のその子と比べる」ということなのです。
☆47ページより
もし、親自身が「焦っているな」「余裕がなくなっているな」と感じたら、一日の中で少しでもいいので、子育てを忘れて、息抜きできる時間を作ってみてください。
子育て中の親はとにかく「趣味や自分だけのために時間を使う」ことに罪悪感に近い感情を持っていることがありますが、少しでもいいので親が自分だけの時間を楽しむことで、親子ともに感情がプラスに向かいます。
☆53、54ページより
あえて、子どもの気持ちがわかっても、わかっていないフリをしてください。
つまり、「言葉にしないと何も伝わらないよ」という態度で、子どもが自分の気持ちを言葉にして発するのを根気強く待つといこと。
☆86、87ページより
子どもの「○○できない」に場面に遭遇すると、つい条件反射でイライラしてしまう、もしくは手を出したくなってしまうという方は、「自分はコーチ」「プレイヤーはあくまで子ども」ということを思い出し、手を出すのは、できるだけがまんする。
子どもが手間取っているときは、目の前の光景に対して「ただいまトレーニング中!」と心の中で唱えるようにするといいかもしれません。
☆91ページより
私がおすすめする叱り方は、叱る前に「悲しかったんだね」「嫌だったんだね」と、一言共感の言葉をはさむことです。
また、スキンシップをとりながら叱る、同じ目線で叱るというのもいいでしょう。
それによって子どもの心が開き、効果的に言葉が伝わるようになります。
☆98、99ページより
『「自己肯定感」育成入門』の目次
『「自己肯定感」育成入門』の目次は下記の通りとなっています。
本の内容がだいたい分かるのではないかと思うので、参考にしてください。
LECTURE
「やりたくない」子どもたち
子どもの自己肯定感をさげてしまう親のタイプとは
STEP1 子どもの「やってみたい」を引き出す
「ほめる親」より「気づく親」になる
目標は非常識なくらい「低く」設定する
子どもを「ちょっと前の子ども」と比べよう
3つの「比べない」をできるだけ意識する
親の役割は1/10歩の「成長」を気づかせること
親の「しくじった話」から子どもは失敗への処し方を学ぶ
結果がでなくても「何を学んだか」を問いかけよう
子どもの心を動かすほめ方とは
【STEP1 実践のポイント】
勉強、スポーツ、遊び、すべてにおいてトライ&エラーを「日常」にする
STEP2 「自分自身で考える」機会を増やす
親は365日「保護者モード」でなくていい
「気が利く親」ではなく「ものわかりが悪い親」になる
ときには「コーチ目線」になってあえて子どもを突き放す
「役割」が子どものの成長サイクルを後押しする
「叱る」ときはまず子どもを安心させよう
「親は親、子どもは子ども」という感覚を持つことの重要性
中学受験をするとき親は「応援団」がベスト?
【STEP2 実践のポイント】
「ひとりでやる」「自分で決める」機会を増やしていく
STEP3 子どもにとっての「安全基地」を作る
外側のモノサシに頼らず「その子自身」を見る
「未来」ではなく「過去」を語る
「短所」は克服させようとしない
「○○なタイプ」といった型にはめる言葉はなるべく使わない
子どもの可能性を最大限に広げる「リフレーミング」の力
子どもと「一対一」で向き合えるスペシャルデーを作る
読書を親子の会話を深めるきっかけにする
子どもの「好き」をファイルにまとめることで小さな「安全基地」が作れる
ホワイトボードを使ってコミュニケーションを「見える化」する
【STEP3 実践のポイント】
「子どものありのままの姿」を短所を含めて受け入れる
STEP4 勉強や習い事を通して「壁」の乗り越え方を学ぶ
自己主張よりも先に「聞く力」を身に着けること
勉強に「苦手意識」を持たせないために「算数」でつまずかない
国語の文章問題を通して問題の「分解」を覚える
子どもを勉強好きにするコツは「教えない」ということ
成長の「踊り場」を経験し、乗り越えてもらう
一週間のスケジュールに必ず「余白」を作る
「遊んでから勉強」のほうが勉強に集中できる理由
自己肯定感のターニングポイントは「小3」と「中1」
こどもたちの「やりたいこと」べすと10から見えてくるもの
子どもの本音を引き出すある「質問」をしてみよう
【STEP4 実践のポイント】
勉強も、習いごとも「小さな壁」をたくさん乗り越えるいい機会と考えよう
巻末コラム 子どもの「記憶に残る」思い出とは
本書まとめ
☆全222ページ
『「自己肯定感」育成入門』を書いた人はどんな人?
お名前:平岩 国泰さん
1996年慶応義塾大学経済学部卒業。
30歳のとき、長女の誕生をきっかけに放課後NPOアフタースクールの活動を開始。
2011年会社を退職し、日本の子どもたちの「社会を巻き込んだ教育改革」に挑む。
”アフタースクール”は活動開始以降、5万人いじょうの子どもが参加。
2013年より文部科学省中央教育審議会専門委員。
2017年より渋谷区教育委員、学校法人新渡戸文化学園理事を務める。
☆著者紹介ページより抜粋
『「自己肯定感」育成入門』で私が学んだこと、変わったこと
私はついつい、子どもに「手出し口出し」してしまう母でした。
最近は、だんだんと「手出し口出し」しないで、子どもを見守ることができるようになってきたのですが、やっぱりイライラしてしまうこともあります。
そんなとき、この本で教えてもらった「ああ、まだできないんだな」という言葉や「今はトレーニング中なんだ」という言葉は私の心を落ち着かせる「お助け言葉」になっています。
そして、「昔のその子と比べてみる」という方法は、私にとっても子育てが楽しいものになるし、それを子どもに伝えることで、子どももとても嬉しそうにしています。
幸せな親子関係になるためのたくさんの気づきをもらえました。
『「自己肯定感」育成入門』はこんな人にオススメ!
『「自己肯定感」育成入門』は、ぜひ下記のような方に読んでもらいたい本です☆
- 子どもの自己肯定感が下がっている気がする。。
- 子どもの自己肯定感を高めてあげたい!
- どんな困難にも負けない強い子に育ってほしい。
- 将来、子どもが仕事や人間関係で困らないようにしたい。
子どもが「どんな自分でも大丈夫!」と自分に自信を持てることは、将来、幸せに生きていくために大切なことです。
この本は、そんな幸せに生きていける子どもの育て方を教えてくれている本です。
ぜひ、読んでみてください。おススメの1冊です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。