子どもが学校へ行けなくなってしまった。
まさに青天の霹靂。
「無理に学校へ行かせるのは良くない」というから、そっと子どもを見守ることにしたけれど、ずっとこのままの状態でいいの?
私はどうしたらいいんだろう。。
私は「無理して学校へ行かなくていい、は本当か」を読んで、不登校の子どもを持つ家庭には決まったパターンがあり、我が家はそのパターンにバッチリ当てはまっていることに気が付きました。
子どもの不登校にはさまざまな原因がありますが、親のコミュニケーションを変えることで克服できる可能性もあるようです。
「親が学べば子は伸びる。親が変われば子も変わる。」
そんなことが実感できるきっかけとなる本となるかもしれません。
「無理して学校へ行かなくていい、は本当か」のおおまかな内容
この本は、著者が長年にわたって不登校を支援してきた立場から、フリースクールなど学校以外の選択肢を選ぶ前に、まずは家庭で学校(社会)に適応できる能力を身に着けさせるべきだとしています。
不登校になる家庭の類型化をしてみると、大きく分けて下記の7つのパターンがあります。
- 過干渉傾向タイプ
- 放任傾向タイプ
- フレンドリータイプ
- ギスギスタイプ
- 子ども上位タイプ
- 親の支配が強いタイプ
- 親が期待過剰タイプ
▼この本で紹介されている「子どもが不登校になる家庭の7タイプ」に関しては、別記事でも詳しく紹介しています▼
例えば、①の「過干渉タイプ」は、
- お風呂に入りなさい
- 勉強しなさい
- ゲームはそろそろやめなさい
などの命令や指示や提案(メシテイ)が多い親子コミュニケーションになっているタイプです。
このタイプの家庭の子どもは、親に対する依頼心が強く、何かあるごとに「お母さーん」と呼びかけることが多く、年相応の自立ができていません。
なので、
- 一人では小学校に登校できずに母子登校になる
- 自分で考えて行動することを求められる学校よりも、優しい両親がいる家のほうがいいと考えて不登校になる
というケースがあります。
このタイプの家庭で親がすべきことは、
- 親は子どもが自分から行動するまで「待つ」努力をする
- 命令、指示、提案ではなく、親の気持ちを伝える対応=アイメッセージを使って、子もの自立心を育む
ことが大切です。
アイメッセージは、主語をI(私)に置き換えて、私がどう思うかに重点を置いて気持ちを伝える方法です。
例えば、「早く寝なさい!」は主語が「あなた」ですが、これをアイメッセージで伝えると、
あなたが夜遅くまで起きていると、明日の朝、起きられないあなたを起こしに行かなくなって、お母さん困るわ。
という伝え方になります。
アイメッセージで伝えることで、子どもの心を閉ざさずに親の気持ちを伝えられ、子どもの行動の変容を促すことが期待できます。
そして、どのタイプの家庭においても、子どもの不登校解決に重要な親の姿勢は「共感」という考え方です。
不登校の子どもに対する親の対応でまず大切なのは、「私はどんな状況にあってもあなたの味方なんだよ」という立場作りです。
そのような親の姿勢を身に着けたうえで、不登校の解決策としてまず親がすべきことは、「アクティブリスニング」です。
アクティブリスニングとは「傾聴」ともいわれ、相手が課題を抱えている時に、能動的に話を聞くことによって相手を支え、結果的に相手の心の成長を促す対話法です。
- 子どもの言ったことを繰り返す
- タイミングに応じて要約する
- 子どもの気持ちを汲む
- 上記3点により、共感的に子どもを理解する。
アクディブリスニングをした会話は下記のようなものです。
子ども「はー。なんだかだるいなぁ・・・」
親「だるいのね」→①繰り返し
子ども「うん。寝不足のせいだとは思うけどなんかだるい」
親「寝不足の影響でだるいと思っているのね」→②要約
子ども「うん。夜なかなか寝付けなくてついついスマホをやっちゃうんだよね」
親「確かに眠れない夜もあるね。スマホがあればやっちゃうのはわかるわ」→③気持ちを汲む
子ども「さすがにこの生活がずっと続くのはマズイと思う(笑)」
親「この生活がずっと続くのはマズイと思うんだね」→①繰り返し
子ども「まぁこのままじゃだめだからちょっと考えていかないとな(笑)
親「そうねぇ。困ったことがあったらいつでも相談してくれると嬉しいわ
このように、親が能動的に話を聴き、タイミングに応じて要約することで、子どもは自分の話が相手に伝わっていることを確信します。
そして、気持ちをくんでもらうことで、自分の状況を理解してもらったというい気持ちになります。
その結果として、子どもが自分自身で結論を見出したり、自分自身で問題を乗り越えたりします。
また、親子の信頼関係を築くことができます。
- 「①の子どもの言ったことを繰り返す」では、ただ繰り返すだけでなく、感情表現をしっかり表情であらわすこと。
- 「親としてアドバイスなり、意見なりを言わないと」と思わず、「聴こう、聴こう」という姿勢をもつこと。
親が変われば、子どもも変わります。
☆私の読解が間違えていたらスミマセン。。ちょっとした参考にしてもらえればうれしいです。
心に残った本のメッセージ
私が「無理して学校へ行かなくていい、は本当か」を読んで、心に残ったメッセージをご紹介したいと思います。
安易に学校を批判し、他の選択肢を示すのではなく、まずは親自身がわが子に適した家庭教育を学び、子どもと対話をし、自立心や社会性を育み、具体的にどうすれば学校へ戻れるかを模索してほしいと思います。
☆28ページより
性格面は年齢が上がるにつれてかわりにくくはなりますが、小学生、中学生時代での性格傾向がそのままというわけではありません。
心に深く響くような体験を通して中学生以後のステージでも性格は180度変わることもあります。
個人的には人間は死ぬまで成長し続けるし、意思次第で変わることができると私は信じています。
☆73ページより
多くの不登校の子どもたちは心に傷を負っていたり、現実とは違う個人的な思い込みに囚われていたり、頭では理解しているけれど体が動かなかったり、自分自身の存在を受け入れることが困難になっていたりします。
もちろん「怠けの延長線上にある不登校」にもそれなりの葛藤があります。
そのような不登校の子どもに共感してあげるだけで親を頼りにしてくれるようになります。
☆128ページより
すぐには学校へ行けない、行かない子どもを前にして親の正論をぶつける前に、まずは「あなたの味方なんだよ」と伝えましょう。
そうすることで、親からの不登校解決のための具体的なアドバイスが初めて子どもの心に届いて説得力を持つことになるのです。
☆141ページより
様々なケースがある不登校ですが、私の不登校支援の経験から見えてきたのは「家族の在り方」が不登校解決のヒントになり得るということ。
そして「待っているだけでは解決しない不登校がある」ということです。
☆204ページより
「無理して学校へ行かなくていい、は本当か」の目次
「無理して学校へ行かなくていい、は本当か」の目次は下記の通りとなっています。
本の内容がだいたい分かるのではないかと思うので、参考にしてください。
第1章 どうしてうちの子は学校へいけないの?
待っているだけでは不登校は解決しない
不登校が特別なことではなくなった
「不登校とは何か」を知りましょう
「脱学校論」では不登校は解決しない
子どもの変化が一番大きな問題
不登校に対する社会の問題意識
あふれる情報で対応に迷う
さまざまな不登校のカタチ
こんな家庭になっていませんか?
①過干渉傾向タイプ
②放任傾向タイプ
③フレンドリータイプ
④ギスギスタイプ
⑤子ども上位タイプ
⑥親の支配が強いタイプ
⑦親の期待過剰タイプ
不登校の子どもたちの選択肢
●民間の復学支援機関
●公的機関のカウンセラー
●心療内科
●適応指導教室(教育支援センター)
●ホームスクーリング
●転校
●山村留学
●フリースクール
第2章 再登校への取り組み
復学支援の現場で起こっていること
不登校の「犯人捜し」はしない
学校へいかないのではなく、いられない
不登校の子どもたちの本音と建て前
まずは親から変わりましょう
第3章 訪問カウンセリングという不登校支援
親と子どもを共に支援する
なぜ訪問カウンセリングなのか
訪問カウンセラーは心を許せる大人
子どもの性格から復学への課題が見えてくる
「きっかけづくり」のための登校刺激
復学までのプロセス
復学後のケア
第4章 家庭での親の対応力が大事
愛情だけではダメ。技術だけでもダメ
大切なことは親の共感姿勢
心の扉を開ける鍵を手に入れましょう
親の気持ちを伝えるアイ(私)メッセージを活用しよう
登校については家族会議で話し合おう
ネット依存と不登校
学校とのかかわり方
第5章 不登校を乗り越えた親からの手紙
「学校が怖い!学校に行きたくない!」の正体がわからずに(小1・女)
学校嫌いの子供の自立を目指して(小2・男)
別室登校を乗り越えて(小4・女)
不登校と家庭内暴力を乗り越えて(中1・男)
中1ギャップを乗り越えて(中1・女)
不登校を乗り越えた父親奮闘記(中3・男)
第6章 家庭力アップのサポート
家庭力アップのサポート
この本を書いた人はどんな人?
お名前:水野達朗さん
不登校専門の訪問カウンセラーとして多くの不登校の子どもたちと関わり復学へと導く。
不登校の解決法として家族内コミュニケーションのあり方に着目し、水野子規の家庭教育メソッドである「PCM(ParentsCoumselingMind)」を構築。
家族と子どもの自立を第一に考え、全国の親と子をサポート。
不登校の復学支援や、家庭教育に関する講演会も精力的に行っている。
☆著者略歴より抜粋
「無理して学校へ行かなくていい、は本当か」で私が学んだこと、変わったこと
私はこの本を読む前に、この本と同じ著者の本「子どもには、どんどん失敗させなさい」を読んだんです。
その本で、
- 命令・指示・提案をし、子どもの失敗体験を奪うことの弊害
- 自立した子どもを育てることの大切さ
を学びました。
娘は小4の6月から不登校になったのですが、それは
私がいつも子どもに命令・指示・提案をし、子どもの失敗体験を奪うことで、打たれ弱い子どもにしてしまったからかもしれない
と、その本を読んで反省しました。
その後、同じ著者が書かれた「無理して学校へ行かなくていい、は本当か」を見つけ、さっそく読んでみたんです。
その中の「子どもが不登校になる家庭の7タイプ」では、なんと、、
- 過干渉傾向タイプ
- 子ども上位タイプ
- 親の支配が強いタイプ
の3つも当てはまっているようでした(>_<)
そして、「子どもには、どんどん失敗させなさい」の本でも、子育てにおいて共感と傾聴の大切さを知りましたが、この本でも改めてその大切さに気付きました。
今まで、「命令、指示、提案」をしまくっていた私には、アクティブリスニングはとっても難しくて、なかなかうまくできず、反省反省の毎日でした。
ついつい、子どもに提案しちゃってるんです!!いつものやつ!!!
なので、まずは
- 子どもに共感して言葉を繰り返すこと
- 命令をやめて「お母さんは○○してくれたらうれしいけど、どうかな」と主語を自分にして伝えること
に集中しました。
そして、「こういう時はこう言ってみよう」とイメトレしたり、会話を思い出して「こう言えばよかったかも」というふうに反省しながら改善の努力をしていきました。
それでも、それでも、やってしまう「命令、指示、提案」。
後から分かったのですが、母である私がついつい子どもにうるさくいってしまうのは、「自分責め」や「自己否定」の心の癖を持っていることが原因でした。
それに気付かせてくれたのが、『「こんなママでごめんね」から卒業する本』でした。
これを知り、「自分責め」や「自己否定」の心の癖を手放して初めて、子どもをありのまま受け止められ、子どもにイライラすることも激減。
だんだんと命令、指示、提案しない自分になることができました。
そんな風に私が変わってきた直後、学校に行けなかった娘が「学校いつ行こう。3学期から行ってみようかな」と言い出したんです。
この本には、「子どもに共感して、傾聴し、命令せず自分の気持ちを子ども伝えてみる」とありますが、母である自分の心に余裕がなければ、なかなかの苦行と思います。。
子どもが不登校になっちゃったのは、私の指示とか命令とか提案のせいかもしれない。直さなきゃ。でも、ついついやってしまーう!ムキー!!
、、みたいなカンジです。
なので、母である自分が「自分責め」や「自己否定」をする心の癖を持っているなら、まずはその心の癖を手放すことから始めるのがいいかな、と自分の経験から思います。
それでも、この本は親である自分が変わることで子どもの不登校を克服できるということを教えてくれた本だったので、出会えてよかった1冊となりました。
ちなみに、、
この本を読んでしばらくたってから「親業」という本を読んだのですが、さらに「アクティブリスニング」について理解でき、なかなかできなかった「アクティブリスニング」がだいぶできるようになりました。
この本も私を大きく成長させてくれました。
ご興味あればぜひ、読んでみてください。おススメの1冊です。
「無理して学校へ行かなくていい、は本当か」はこんな人にオススメ!
この本は、ぜひ下記のような方に読んでもらいたい本です☆
- 子どもが不登校になってしまい、どうしたらいいか分からない
- 学校でも社会でも、強くたくましく過ごせる子どもにしたい
本には、不登校を乗り越えた体験談も載せられているので、「不登校を克服できた人がいる」という心の支えにもなると思います。
読んでいただき、ありがとうございました。